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その力は俺を選んだ 何も出来なかったと嘆いていた俺に使命を与えた 俺に何が出来るのか今はわからない だけど進もう 護るべき者の道標となるために・・・
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(えっ・・・ひっく・・・・・・父さん、母さん・・・・・・)
目の前に広がるのは深い霧
俺はその中をゆっくりと歩いていた
その泣き声に導かれるように
(誰だ?何で泣いてる?)
もう少しでたどり着けそうな時
優しい風がふわりと巻き上がった・・・
「小父様!小母様!風樹!!」
「風魔さん!」
両親が息絶えたと同時に、風花姉貴とその夫の那月が血相を変えて入ってきた
「くそっ!遅かったか!!」
そういって間髪入れずに羅刹に攻撃する那月。
泣いていた俺を抱きしめて、大丈夫だからと安全な場所に移し彼の支援に入る姉貴。
暫くして羅刹は二人のおかげで消滅した。
両親と同じように小言を言う姉貴や俺をからかう那月が、その時は神に思えた。
暫くすると、心の奥底から目覚め始めた『闇』に、俺は意識が朦朧としていた
独りぼっちになった。と思った心の隙間に奴らは入り込んできたのだ・・・
「風樹!聞こえて?小母様達がいなくても貴方には私達がいるわっ。貴方は一人じゃないのよ!」
俺を抱きしめたまま、姉貴は必死に呼びかけていた。
「堕ちるな風樹!お前も風花を守るんだろ?約束を忘れるな!」
那月の声で意識が戻る。そうだ、姉貴を彼と守ると約束した・・・
「忘れて・・・ないよ。覚えてる・・・」
そう答えた瞬間、俺は二人の腕に抱きしめられていたのだった
学生寮から出る学園行きのバスの中。
姉貴の娘である蓮花の話を聞きながら通学。
最近の朝の日課だ。
蓮花が生まれたのは両親が他界してから1年後だった。
生まれた日、俺は彼女を1日ずっと見ていたらしい。
そんな俺の様子を見て、姉貴達は俺に彼女が成人するまで守る役目をくれた。
それからは蓮花に振り回される毎日で過去を振り返る暇はなく、楽しい日々だったと思う
その無邪気な笑顔に何度、心を楽にしてもらっただろう。
姉貴ゆずりの容姿と、那月ゆずりの性格と・・・いいとこ取りをして蓮花は生まれた。
両親が他界した時、俺は小さくて守ることが出来なかった
小さかったから、姉貴達がその後の俺を守ってくれた
だから今度は俺がこの小さい魔女の力を宿した少女を守る番だ。と、
楽しそうに話す彼女を見て、頭を撫でながら微笑んだ
苦しい過去があった
でも、それを越えれるほどの現実での思いと出来事は多い
なぁ、親父、お袋・・・今だからいえるよ
あの時、俺の命を守ってくれてありがとう。心から感謝してるよ
俺なら大丈夫だから、そっちで見守っててくれよな?