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その力は俺を選んだ 何も出来なかったと嘆いていた俺に使命を与えた 俺に何が出来るのか今はわからない だけど進もう 護るべき者の道標となるために・・・
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パァーーン!!!
と、激しい音と同時に俺の竹刀が宙を舞った
俺はというと、打たれた腕の痛みに耐えることしかできずにいた。
「試合中に気持ちがぶれるとは・・・どうされました?風魔さん」
面を脱ぎ束ねていたロングの銀髪を解くと、麻生は俺を睨むように見据えた
「…ったく、少しは手加減をしても……」
「敵は手加減はしません。実戦では生きるか死ぬかなのですよ?」
いつも貴方が言ってるではありませんか!と、ぴしゃりと言い切られる
何も言えない・・・確かにいつも模擬戦の時、俺が言っている言葉だったから
そんな俺を見て、彼女は盛大なため息をつく
「先代と現当主まで家臣筆頭として雨月家を支えてきた末裔がこのようでは…」
ぴくりと俺の中のプライドがその声に反応する
「お前、な…」
自分でも驚くほど声が低くなっていた
「私の言葉が腹立たしいと思うのなら、その泣きそうな顔をいい加減、貴方らしく戻してほしいですね」
「どういう意味だ?」
「私はリーダーにはリーダーらしくしてほしいだけです。特に貴方には将来、この命も預けなければいけないので…」
貴方には使命と命に代えてでも守らなければいけないものがあるのではないのですか?
自分のことで、いちいち落ち込んでいる暇はないはずですよ?
「……しっかりしてくださいませ、盟友殿。」
目から鱗が落ちる、というのはこういう感覚を言うのだろう
頭の中が一気に晴れた気がした。
俺はくっくと笑いだす。それを麻生は訝し気に見つめた。
「あぁ、確かにそうだ。何やっていたんだろうな、俺は……」
俺の使命は風魔家の再興
そして守っていくものは蓮花が当主となる未来の『雨月家』
自分のことはその次でいい。
まったくだ。わかっていたはずのことをコイツに言われるとは、な…
「麻生。悪いがもうひと試合頼む。次は負けねぇ」
「望むところですわ。」
すでに空は夜空に代わり、天狼星を思わせる様に輝く満月と
西の空に淡くしかししっかり輝く獅子星の二つが競う様に輝き始めていた