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Shining wind~道標になるために~

その力は俺を選んだ  何も出来なかったと嘆いていた俺に使命を与えた  俺に何が出来るのか今はわからない   だけど進もう  護るべき者の道標となるために・・・

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美しく輝く星に、再び会う為に・・・

「うっわぁ!凄いよ、父さん。星が落ちてきそうだよ!」
とある天文台へ向かう一組の父子。
その途中の道で息子は父親に大きな声でそういった。
「はは、こうして輝いている星達は落ちてはこないさ」
前に教えただろう?と、父親は息子の頭をポンポンと優しくたたく
彼は頷くが、ちょっとふくれっ面だ
「わかってるけど、本当に落ちてきそうで凄いんだ」
そんな息子に父親はほほ笑んで、同じように夜空を見上げた
「いいかい、この空をよく覚えておくんだぞ?」
彼は父の言葉に、不思議そうに首をかしげる
「もしも一人っきりになってしまったと感じた時、この満天の星の中に皆いてお前を見守っているから・・・」
目の前の父が、ふっと消えそうな・・・そんな衝動に駆られて、息子は父の手をぎゅっと握る
どうした?と、彼の顔を見る父親。
普段は厳しいが、こうして星の話をする時は優しい笑顔になる
そんな父が彼は大好きだった
「父さん、肩車してよ。もっと高いところで見たいよ」
仕方ないな。と笑って、彼を肩に乗せる父親
「ねぇ、父さん」
彼は耳元でそっと言う。
「僕にとって、父さんはオリオンだからね?」
「はは、それは嬉しいな」
父親は嬉しそうに笑った・・・

【偽イベシナ】夜空に咲く花と輝く宝石~夏の思い出~

「風樹~、いる?」
【星月夜】寮の団欒室。
のんびりとテレビを見ていた風樹に、蓮花が声をかけてきた。
風樹が肯定の返事をすると、彼女は目の前に1通の手紙を渡した
「ママ達から手紙。たまには帰ってらっしゃいって…」
手紙は蓮花の母親で風樹の乳姉弟である、雨月風花からだ。
内容は蓮花が言った内容でほぼ間違いないのだが・・・
「ん?これなんだ?」
風樹は封筒の中に入っている三つ折りのパンフレットを見つけた。
それはどうやら花火大会のパンフレットらしい。
「へぇ、湘南で花火大会か。」
湘南海岸は彼等の実家である鎌倉から江ノ島電鉄で出かけることができる…
「…蓮。花火、見に行ってみたいか?」
「うん!」
風樹の問いに即答する彼女。
「じゃぁ、家に帰るの?浴衣着れるね?」
「そうだな、浴衣着て下駄はいて・・・だな」
やったー!!とはしゃぐ蓮花。しかし、ハッと思い出したように風樹の顔を見た
「ねぇ風樹…クラブや友好の皆も一緒に行けたら、もっと楽しいよね?」
ふっと顔を上げる風樹・・・
暫くして蓮花の顔を見てにっこりと微笑んだ。
「蓮、ナイスアイディアだ。ちょっと姉貴に連絡とってみるか…」


甘酸っぱさは心の奥に~バレンタインの思い出~

2月14日。
街中に甘い香りが漂う日、だ

「ふうき~!はい、私から『あいじょう』いっぱいのチョコレート♪」
寮の食堂で、俺を見つけた蓮花がニコニコ笑顔でチョコを目の前に・・・
周りにいた学生達はこちらを見てくすくすと微笑んでいたり、
「お姫様の告白だ」と、ひやかしを言っている。
(愛情って言葉、一体何処で覚えたんだ?こいつ・・・)
そう思った俺は、内心頭を抱えた。
「あのな、蓮。そういうものはもっとこっそりと渡す物なんだぞ?」
どうして?と、首をかしげる彼女に、俺のバレンタインのセオリーを話しても理解は出来ないだろう。きっと・・・
サンキュといってチョコレートを受け取る。
ちなみにこのチョコ、昨日クラブの皆にあげるからと言って一緒に作ったチョコの1つだ。
(バレンタインデーか・・・)
俺は蓮花に貰ったチョコを見ながら少しだけ昔のことを思い出した・・・

        
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